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環境問題に関する政党アンケート 【2001年参議院議員選挙版】 2001年6月実施

【はじめに】

7月22日は参議員選挙の投票日です。皆さんが投票する際にひとつの参考にしてもらおうと、昨年好評だった環境問題に関する政党アンケートを今回も実施しました。今回も主要7政党(自民、民主、公明、共産、自由、社民、保守)にアンケートを送り、7党すべてからご回答をいただきました(ただし、保守党は個別政策への回答はなし)。選挙前の忙しい中に、ご回答いただいた各党の政策担当の方々にはこの場を借りてお礼申し上げます。
 

【質問テーマ】
1.地球温暖化(アメリカの京都議定書離脱問題、CO2の削減法、原子力発電の増設、環境税)
2.電力・エネルギー(原子力発電、自然エネルギー促進法、プルサーマル計画、柏崎刈羽原発)
3.道路政策(ディーゼル車規制、道路特定財源)       
4.公共工事(諫早・三番瀬・川辺川、住民投票)
5.遺伝子組み換え食品・農業(遺伝子組み換え食品,遺伝子組み換え作物の国内栽培、セー フ ガード) 
6.廃棄物・リサイクル(拡大生産者責任) 
7.生態系保護 (都市近郊緑地の税制)     
8.WTO・貿易(WTO新ラウンド、農産物自由化)
9.ODA(政府開発援助)(ODAの削減問題)
10.NPO/NGO(NPO法人の税制優遇)


ここでは、スペースの関係で、「5、遺伝子組み換え食品・農業」のみ掲載しています。ご了承ください。

5.遺伝子組み換え食品・農業

5-T:遺伝子組み換え作物についてどのような考えを持っていますか?

a;現在行われている安全性評価や環境への影響評価などをクリアすれば、積極的に推進していくべき。
b;安全性や環境への影響などを考慮して、慎重に進めていくべき。
c;現時点での流通や生産は一時中止し、技術への評価を行うモラトリアム期間を設けるべき。
d;その他 
e;わからない・答えられない


  a b c d e コメントの有無
自民党        

民主党

         
公明党        
共産党        
自由党          
社民党        
保守党          

【各党からのコメント】

自民党:
遺伝子組み換え作物については、その可能性の正当な評価 、安全性の確保、消費者の関心への的確な対応を基本的な方針としており、わが党としても、特に、安全性の確保については科学的知見に基づき万全を期している。

公明党:
遺伝子組み換え技術は 、昔からある植物や動物の交配の延長線上にあるものであり、生産量の増大や農薬が少ない品種の開発などが期待できるメリットがある一方、科学技術は万能ではないという問題もあります。安全性の確認については、慎重に対応することは当然です。

共産党:
遺伝子組み換えは、科学上の重要な成果と発展であり、今後も研究・開発が望まれます。しかし、その実用化のためには、安全性や周辺環境への影響などクリアすべき点が多くあり、慎重に進めていくことが必要です。

社民党:
社民党の遺伝子組み換え作物や食品に対する基本的が考えは、安全性が確認されない限り、生産や輸入は禁止するということ。WTOの基準は危険性が証明されなければ安全だというものだが、とんでもない。遺伝子組み換え作物は、有害性が実証されていないものであっても、人が長期間にわたって摂取し続けた場合の安全性が実証されているわけではない。人体への影響が分かるには摂取による長い年月が必要である。当然現時点では有害性が確認できなくとも、将来「実は有害だった」と判明することもありうる。しかも有害だと分かった時には、事態はすでに手遅れとなっている可能性が高い。

 


5-U:現在、日本国内では試験的栽培を除き、遺伝子組み換え作物の大規模な作付けは行われていませんが、遺伝子組み換えイネなどの開発も進み国内での作付け開始も間直とも言われています。「現時点」で、遺伝子組み換え作物を国内栽培することに賛成ですか?反対ですか?

a;賛成 b;条件付きで賛成 c;反対 d;その他 e;わからない・答えられない


  a b c d e コメントの有無
自民党        

民主党

         
公明党        
共産党        
自由党        
社民党        
保守党          

【各党からのコメント】
自民党
前項目の内容を踏まえての対応が条件。

公明党:
遺伝子組み換えイネについては、現在、研究段階であり一般水田等において作付けを行う段階ではないと理解しております。安全性も国として確認されておらず、現段階での作付けはありえないと思います。

共産党:
安全性・有害性について十分な科学的審査や合意がなく、認められてないものが混入するなど、多くの問題があり、商業目的の遺伝子組み換え作物の栽培を国内で実施することには反対です。

自由党:
研究そのものを否定するものではない。

社民党:
日本の主食であるコメを、遺伝子組み換えイネで生産するなど断じて容認できない。



5-V:政府は,中国産のネギ・しいたけ・イグサにセーフガード(緊急輸入制限)を発動しました。農作物へのセーフガード(緊急輸入制限)についてどのような考えを持っていますか?

a;今後も状況に応じてセーフガードを発動していくべき。
b;今回の政府が発動したセーフガードはやむをえなかったが、今後は慎重に対応すべき。
c;セーフガードの発動には反対。
d;その他 
e;わからない・答えられない

  a b c d e コメントの有無
自民党        

民主党

         
公明党        
共産党        
自由党          
社民党        
保守党          


【各党からのコメント】

自民党:
設問に事実誤認があり、今回のセーフガード発動は、対象国を限定したものではなく、特定輸入品への高関税化による輸入制限措置。韓国品でも同様の品目なら適用される。とりわけ、ねぎ、しいたけ、いぐさ等の国内生産者は零細農家であり、中国,韓国との人件費等の比較で価格差が著しく、その国内生産者保護のためにやむを得ずに発動したもの。

公明党:
農業は、工業製品のように比較優位論だけで論じるべきでなく、農業の有する多面的機能や食料自給率の向上等の観点を重視すべきです。こうした観点からセーフガードは、WTOでも認められている制度です。

共産党:
輸入農産物の急増は農家経営へ打撃を与えており、セーフガードの発動は当然です。しかしあくまでも緊急避難の措置であり、大事なことは、政府が自給率引き上げと家族経営が成り立つ農業政策に転換することです。

社民党:
食料は主要食料であれ野菜であれ、自国で生産することを国の政策の基本とすべき。しかも生鮮野菜は本来輸入作物ではなかった。セーフガードは食料輸入国にとっては唯一の対抗手段である。アメリカはこのセーフガードを廃止しろと主張しているが輸出国のエゴ以外の何ものでもない。わが国の主要農産物を守るためにも、この措置を存続させ、発動手続きの簡素化など発動要件を改革し、緊急に弾力的に発動できる条件整備を図るべき。同時に生産・流通を通じた国内対策の充実を図るべきである。



【参考】

保守党からは以下のような回答が届いています。 保守党環境政策です。 循環型社会を構築し,環境を守り、美しい国土と自然を復活させ、子供達に引き継ぎます

1.
循環型社会形成推進基本法及びその関連法の円滑かつ効果的な実施を図り、美しい国土と  環境を後世代に引き継ぎます。
2.
産業廃棄物処理対策への積極的支援、再利用の促進、処理施設の計画的増設など、リサイ  クル社会を構築します。ゴミ処理のリサイクルを進め、ゴミゼロ都市作戦を展開します。
3.
ディーゼル車対策の強化等、自動車の排ガス対策を強化します。
4.
毎年1人1本の国際緑化運動の推進、環境ODAの採択、CO2排出規制等地球温暖化の防止  に積極的な役割を果たします。
5.
名水地の指定、水質基準の引き上げなどにより、安全でおいしい飲み水を確保します。
6.
富士山等の名山のゴミ一掃作戦の展開など、国土美化の国民運動を進めます。
7.
環境保全技術の開発・研究体制の拡充、ダイオキシンを始め環境ホルモン対策の強化、環境  アセスメントの強化などを進めます。

上記以外は現在検討中で回答しかねます。

(注)これを受けて、保守党の個別政策への回答については、すべて「わからない・答えられない」とさせていただきました。


 

 

 

 

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