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身近な食の問題編 「プロローグ」


〜とある中学校の公民の授業で先生と生徒 田中くんの会話から。〜

先生:
「・・・このように世界では、8億人もの人が飢餓・貧困に苦しんでいます。私達は貧困・ 飢餓のために何ができるのでしょうか?考えてみてください。」

田中:
「先生、それは知識としてはよく分かるけれど、俺達と直接関係なくないですか?」

先生:
「田中くん。それはどういう意味ですか?」

田中:
「別に俺達、世界の貧困・飢餓の加害者って訳ではないし、それに何かやろうと思っても できることって 募金するぐらいでしょ?だから日本でああだこうだ考えても、あまり意味がないんじゃないかって事。」

先生:
「ふむふむ。なるほど。」

田中:
「貧困とか飢餓の問題は、世界の偉い人達に任せておけばいいんじゃないの。総理大臣とか大統領とかさ。別に俺達 普通の奴が考えてもどうにもならない問題だよ。それより今を楽しもうよ。授業のたびに飢餓とか貧困とか言われると、気が滅入るんだよね。」

先生:
「田中くん 君の言いたい事はよく分かりました。でもね君は、いくつか誤解しているよ。」

田中:
「はあ。」

先生:
「まず、世界の貧困・飢餓と私達の生活は密接に関係している事。そして世界の飢餓・貧困のために私達 一般人ができることはたくさんあるって事だ。」

田中:
「どうゆう事?」

先生:
「試しに、自分の地球占有度を測ってみて欲しい。                                  『Ecological Footprint Quiz』(英語)http://www.earthday.net/footprint/index.aspと いうサイトで16個の簡単な質問に答えるだけで、自分の今の生活だと一体何個の地球が必要なのか分かるんだ。」

「僕もやってみた。僕はいつも授業で偉そうに、君達に話しているけれど、僕の生活水準では、2.5個の地球が必要らしい。」

田中:
「へえ。そうなんだ。先生だめじゃん。」

先生:
「そうだね。先生も自分の生活を見直していかなきゃいけないね。」

〜休憩〜
 

田中:
「でも自分の生活変えたからって言って、それでどうなるの?俺達が地球占有度をちょっと減らしたぐらいじゃ、広い世界には無意味なんじゃないの?」

先生:
「先生はそうは思わないよ。一人一人が身近な生活を変えていくことが、世界に与える影響はとても大きいんだ。例えば、『食』問題について考えみよう。」

田中:
「は?『食』?今まで話してきたこととどんな関係があるの?」

先生:
「食べる事は僕達の生活に欠かせないよね?」 

田中:
「当たり前じゃん。毎日 食べてる時が一番幸せだよ。焼肉、フルーツ、お菓子・・。1年中、色んなものが食べられて飽きないしね。」

先生:
「外食にはよくいくかい?」

田中:
「行く行く。ファミレスとか食い放題とかさ。」

先生:
「コンビ二やファーストフード店にも行くかい?」
田中:
「そりゃ。いくでしょ。近くて便利だし。腹減った時、ちょうどいいタイミングであるし。」
先生:
「そうか。じゃあ君は、世界の飢餓・貧困の加害者である可能性があるね。」

田中:
「は?!別に俺、その人達を知ってる訳でもないし、飢餓や貧困を生みたくないよ。そんな俺が、何で加害者なのよ?」

先生:
「いいかい。田中くん。私も最近 ようやく気がついた事だけど、世界はつながっているんだ。遠い世界の国に住む人と日本に住む私達 確かに一回も会って話したことがない。でも私達の日常のささいな行動、選択の一つ一つが、遠い世界に住む人達に大きな影響を与えているんだ。私達は、そういう時代に生きているんだ。」

田中:
「話が大きくなりすぎてよく分からないよ。もっと具体的に教えてよ。」

先生:
「OK。今から、「私達の日々の食事と世界の飢餓・貧困のつながり」についてできるだけわかりやすく説明していこう。最後までついてくる気があるかい?」

田中:
「ああ。毎日の食事が、世界の飢餓・貧困につながっているとか言われて、それをあいまいなままにしてたら日々の食事が楽しくないじゃん。本当にそうなのか自分の目で確かめたいんだ。」

先生:
「話を聞いてから、自分の頭でもう一回、考え直してみるといい。そして日々の生活で確かめてみるんだ。それでまた疑問を感じたら、また聞きにきなさい。もし分からない事があれば、先生も一緒に調べるから。さあ、はじめるよ!」

田中:
「はい!」




 

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