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身近な食の問題点編「「都会の食コラム」その2 〜食べる事からはじめよう!〜


「マクドナルドや牛丼チェーン店やスーパーのお惣菜が、安全性・環境面・生産者の生活etcの面で問題なのは、分かる。でも日本に住む多くの人は、食にかけるお金を安くすませたいし、時間がないから「安く、便利で、手軽な」食を必要としているんじゃない?」

これは、よく僕が、「都会の食はこんなに問題があるんだ!」ということを力説した時に、相手にされる反論だ。確かにこのコメントは説得力がある。輸入食品によって世界の環境が破壊され、世界の人々が貧困に陥っているのも確かだが、日本という社会に住む私達の暮らしにとっては「食費を安く抑える。」という事は多くの人にとって重要な位置を占めるのも確かだ。

でもこの事を、そのまま肯定し、「じゃあ海外からの安い農産物・加工食品は必要だよね。」という風にはしたくない。その食は誰かの犠牲によって支えられているから。誰かの犠牲によって成り立っている安定は本当の安定ではないのではないか。ここでは、この問題について少しでも認識を深めるために、僕と友人との対話形式で考えていきます。



食べる事からはじめよう!

僕:
「僕達 都会人の食は、グローバル化するアグリ多国籍企業の儲けと対象となっている。なぜなら、世界の食料貿易の大半は、アグリビジネスと呼ばれる約20の多国籍企業が行っているんだ。特に穀物貿易だけで言えば、カーギル・コンチネンタル・グレインなどの上位6社だけで85%を支配している。日本は世界随一の輸入国だ。その安い輸入農産物は主に外食産業に使われていく。つまり僕達が、食に「安さ・便利さ・手軽さ」を追い求めるという事は、それらの企業の儲けに貢献している事になるんだ。そして、それらの企業は世界の貧困や飢餓を作り出しているんだ。」

友人:
「でも、私達の暮らしにとって、食費って影響大きいよ。毎日出費するものだし。例えば『一人暮らしの学生や収入の少ない家庭にとって食費を安く抑えたい。』という考えってとても現実的なことなんじゃないかな?」

僕:
「本当に食費を安く抑えたければ、自分達で作ればいいんだよ。そっちの方が安いよ。」

友人:
「だったら仕事が忙しすぎてご飯を自分で作る暇・気力がないサラリーマンはどうなるの。安い外食チェーン店やお惣菜屋はそういう人達の生活にとって必要でしょう。」

僕:
「確かにそういう人達にとっては、そのような場所が必要かもしれない。でも本当に問題にするべきは、人間の生きる糧である「食」を大切に考える暇がない程、忙しく働かなくてはならない社会の仕組みが問題なんではないのかな?」

友人:
「そんなこといっても私達は、日本という社会で生きていかなくてはいけないじゃん。その社会の在り方自体を否定したら何にもならないよ。」

僕:
「そうなんだけど、でも、人間の生活の中で『食』っていう比重はとても大きいと思うんだ。『生活が忙しいから、食は安く・簡単に済ませよう。』ていうのは、本末転等じゃないかな。」

友人:
「あなたがそう考えるられるのは、経済的にゆとりがあって、生活のために毎日の仕事に追われていないからだよ。その人達を否定できる立場ではないよ。」

僕:
「確かにそうだね。僕は地元の生協(COOP)でバイトしているけれどパートのおばちゃんやお客さんとしてくる人は、とてもいい人。毎日 一生懸命暮らしている。で、その中で『生活のために少しでも、食費を安く抑えよう。』って考えている。その人達を否定する事はできない。でも日々の生活の中で『食の価値を見つめ直す事』は、本当はその人達のためになると思う。」

友人:
「どうゆう事?」

僕:
「僕達は、医療費が高くて、教育費が高くて、消費税が高くて、仕事が忙しくてという社会に暮らしているけれど、一人一人が食べ方を変えれば、その社会の構造なりを変えていくことができると言う事。「お金がないから安い食を!」って言っていると、今の社会の構造は変わっていかない。でも今とは違う食べ方、例えば、生産者の顔の見える産直をしたり、直売所で買い物したり。そのような食べ方をしていく事で、食に安さを求めなければいけない社会の構造自体を変えていける可能性があるんだ。辻真一という人が、Body and Soulという団体が2004年に発行した「Peace Kitchen」という本に寄せたメッセージがある。『平和は僕達が何を、誰と、どう食べるかににかかっている。』って言葉。食から始めよう!ってメッセージだよね!」

友人:
「なるほどね。よく分かる。まだ多くの人はこう考えていないかもしれないけど、気づいた人から、身近な人に伝えていく事が大切だね。」

僕:
「そうだね。さあ! 今日は、何を、誰と、どう食べようか!!」

(とりあえずおわり。)

 

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