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Johannesburg Summit 2002  

2002年9月4日 15:00 (ヨハネスブルク)

A SEED JAPAN プレスリリース

ヨハネスブルクサミットが終了
自由貿易優先の構造を変革できず

 ヨハネスブルクサミットは環境と開発の会議と呼ばれているが、実際に、焦点となった分野は貿易であった。2003年9月にメキシコのカンクンで開かれる次期WTO閣僚会合にむけた前哨戦とも評価できるような、経済優先で閉鎖的な会議であった。

 貿易のパートで市民が最も懸念していたのは、環境・社会的な条約や規制がWTOルールよりも弱いものになってしまうことであった。つまり、WTOルールに環境・社会的なルールが従属させられることを懸念していたのである。一旦挿入されたWTOルールとの一貫性を求める文言は、EUとG77の土壇場の努力により削除されたものの、環境・社会的な条約や規制をWTOルールに従属させないという政治的な意思は示されなかった。

 カンクンで開かれる次期WTO閣僚会議ではサービスの自由化が最大の焦点になるだろう。今回、ヨハネスブルクサミットでは政府と企業とのパートナーシップが促進されたが、これは途上国において、今後エネルギーや水など公共サービスが民営化される布石となったと考えられる。

 唯一の前進と考えられるのは、企業責任を強化するための新たな国際的枠組み作りを構築する可能性が残されたことだ。雪印、三井物産、日本ハム、東京電力と一連の不祥事によって、日本国内でも企業の透明性と説明責任を求める動きが高まってきた。世界中で起こっている多国籍企業による環境破壊や過酷な労働を防止するためにも、今後、国連が中心となって国際的な枠組みを構築していくことが不可欠である。

ヨハネスブルクサミットでは、WTOなどの国際機関が進める自由貿易によって引き起こされるグローバリゼーションの負の影響にブレーキをかけることは出来なかった。8月31日に会議場の外に集まった数万人の声がサミットに届くことはなかったことは非常に残念なことである。

この件に関するお問合せ先:
A SEED JAPAN 代表 田辺有輝
NH4K-TNB@asahi-net.or.jp

この企画は国際青年環境NGO、A SEED JAPANによって運営されています。
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