「RIO+10についてもっとよく知りたい!」「地球環境の問題についてもっと」というあなたへ贈る厳選24冊。ちょっと勉強してみようかな?と思ったあなた。ホットな気持ちがさめない内に本屋へLet’s
GO!
(『書名』/初心者へのオススメ度(★)/著者/出版社/出版年/価格/コメント、の順で情報を掲載。)
1.環境問題をイチからわかりやすく!
2.国際会議をどう見るか?
3.NGOからみた国際交渉の現場
4.地球サミットを読み解くために
5.気候変動から国際交渉のウラを読み解く
6.グローバル化と親密な関係
7.オルタナティブを構築するために
1.環境問題をイチからわかりやすく! |
「環境学」入門★★★
藤平和俊/日本経済新聞社/1999年/1,700円/人間が存在しなければ環境問題は起こらないという当たり前の事実に一歩踏み込んで。では、その原因者たる人間とは何か、を
問いなおし定義付けすることから出発し、環境問題を体系的に解説している。
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地球環境キーワード事典★
環境庁地球環境部編/中央法規/1999/1,400円/地球環境問題をテーマ別に網羅した地球環境問題の入門書。環境庁(現環境省)の立場からの視点。
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緑の世界史(上・下)★★
クライブ・ポンティング/朝日新聞社/1994/1,700円/人間や地球の歴史を振り返った本は多いが、本書は環境問題の視点に重点を
おいて人類史を読み解いている。
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地球白書★★
ワールドウォッチ研究所/家の光協会/2001/2,600円/地球環境問題の現状を毎年改定しつつ紹介。世界30カ国以上で翻訳出版され
ている。最近は水資源の枯渇、商業化の問題への言及が多い。
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「地球村」宣言★★★
高木善之/ビジネス社/1996/1,600円/地球環境問題全般をたいへん平易に紹介。複雑化する環境問題の全体像をシンプルに知りた
いという方にお勧めしたい。原因となっている経済システムから現代人の価値観の問題、解決案の提示まで。
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2.国際会議をどう見るか? |
環境政治入門★★
松下和夫/平凡社/2000/680円/日米の環境問題に対する政治のアプローチを比較。環境政治史を詳述している。
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地球環境政策★
エルンスト・U.フォン・ワイツゼッカー/有斐閣/1994/3,000円/国際会議で論点となる環境問題を網羅して解説している。国際交
渉理解の入門書としてよいと思うが市場メカニズムによる解決に偏重している。
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3.NGOからみた国際交渉の現場 |
92国連ブラジル会議への提言★★★★
地球のなかの私、私のなかの地球
92国連ブラジル会議市民連絡会/1992/1,000円/92年のリオサミットの直前に国連ブラジル会議市民連絡会(市民フォーラム2001の
前身)がまとめた分析・提言集。当時の環境問題に関する市民の認識や現在に至る立脚点を知るために重要。
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NGOと地球環境ガバナンス★★
毛利聡子/築地書館/1999年/3,000円/92年の地球サミットを例に、政策の立案、決定プロセスにおけるNGOネットワークの形成過程、形成条件、有効性の検証を専門的
に検証。
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せまりくるグローバリゼーション★★★★
ASEEDJAPAN編/1998/500円/グローバル化していく経済が環境を悪化させている事実を平易に紹介。食糧、労働、サービスなどの分野においてグローバル化がどのよ
うな影響をもたらしているのか。
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徹底討論WTO〜ポストシアトル、市民の課題★★★
市民フォーラム2001編/現代企画室/2001/800円/市場経済のグローバルを無批判に進めようとしてきたWTO(世界貿易機関)の
ルールの問題を世界の市民、NGOの立場から批判。1999年12月に徹底して批判を受けたWTO閣僚会議以降のNGOの分析および代替案を提示。
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4.地球サミットを読み解くために
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地球環境運動前史★★★★
ジョン・マコーミック/岩波書店/1998/3,000円/グローバルな視野で書かれた環境保護運動の初の本格的通史。国際的な環境交渉
の歴史についても詳しく紹介されている。
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地球エシックス地球サミット公式ブック★★
シュリダス・ランファル/講談社/1992/2,900円/リオサミット直前に出版された地球環境問題理解のための入門書。前回の地球サ
ミットを迎えるためにどのような前提があったのか知るために有効。
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アジェンダ21−持続可能な開発のための人類の行動計画★
国連事務局監修、環境庁、外務省監訳/エネルギージャーナル社/1993年/3,399円/1992年の地球サミットで採択された
「アジェンダ21」の直訳本。地球サミットを専門的にフォローアップするには本書は一読すべき。環境と開発に関わる問題とその解決方策を、全40章で提示している。しかし、貿易の自由化
やバイテクの活用などを奨励している部分もあり、再考に値するところは多い。
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アジェンダ21実施計画―アジェンダ21の一層の実施のための計画★
(1997年国連環境開発特別総会採択文書)/環境庁・外務省監訳/エネルギージャーナル社/1997年/3,333円/
「アジェンダ21」採択から5年後の1997年6月に開催された「第19回国連特別総会」(リオ+5)で採択された「アジェンダ21の一層の実施のための計
画(’97)」を総覧。国連環境開発会議(UNCED)以降の進展の評価や森林原則声明、ローカルアジェンダ21なども掲載している。
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5.気候変動から国際交渉のウラを読み解く
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よくわかる地球温暖化問題★★★
気候ネットワーク編/中央法規/2000年/1,800円/わかりにくいとされる地球温暖化問題について、必要な情報を網羅しつつ解
説と用語集と資料で理解を助けてくれる一冊。科学、国際的な状況、国内の取り組みなど、ほとんど全ての領域を気候ネットワークの英知と経験を結集して掲載している。
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欲望する環境市場★★
江澤誠/新評社/2000/2500円/地球環境を守るはずの議定書がいかにしてビジネスチャンスの場へと変わっていったのか?詳しくよく説明されている。
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6.グローバル化と親密な関係
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環境破壊のメカニズム★★★★★★
田中優/北斗出版/1998年/2,200円/途上国の開発による環境破壊と先進国内のリサイクルの破綻を国際的な金融の問題から読み
解く。私たちの郵便貯金や年金は貧しい人たちからの収奪によって支えられているという衝撃の事実を解き明かしている。
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グローバルスピン★★★
シャロン・ビーダー/創芸出版/1999年/2,900円/大企業による環境問題介入の実態を克明な資料をもとに追及している。環境
問題や国際交渉は、放って置けばどのような方向にコントロールされてしまうのかよくわかる。メディアコンサルタントと大企業による環境イメージ戦略についても詳しい。これ
を読んで見かけ上の“地球にやさしい企業”に騙されないようにしよう。
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ルガノ秘密報告 グローバル市場経済生き残り戦略★★★
スーザン・ジョージ/朝日新聞社/2000年/2,400円/「もし、現在権力を持っている人たちがグローバル市場がもたらす避けがた
い現実を議論したらどのような策が出るのだろうか?」という視点から秘密会議を開催したと仮定し話を展開している。持続可能な社会つくるための恐るべき人口削減政策
の概要。グローバル化の分析はものすごく鋭い。
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環境的公正を求めて★★★★
戸田清/新曜社/1994年/3,500円/情報や資本、意思決定に強い権力を持つ、先進国の国民を含む“エリート”が環境破壊の原因になっていることを鋭く指摘。南
北問題など世界的な不公正を是正していくためには南北それぞれの国々での民主化、国家間の関係性における民主化の必要性を詳述。
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7.オルタナティブを構築するために
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共生の大地新しい経済がはじまる★★★★
内橋克人/岩波新書/1995年/700円/一貫して中小零細企業、生活者の立場から現代の経済システムに痛烈な批判を続けてきた
内橋氏著の新書。持続可能な経済システムのあり方を実例を交えながら説明している。働くこととはなにか?を問いなおせるのではないか?「環境や経済に問題があるのは
よく分かった。では、どすればよいの???」という方にオススメ。
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環境展望1999−2000
環境保全型社会への日本★★
日本科学者会議公害環境問題研究委員会「環境展望」編集委員会/実教出版/1999年/2,500円/あらゆる環境問題について政策点
検をしているが、特に温暖化について具体的なデータをもとに分析。地球温暖化の日本への影響、日本における二酸化炭素排出削減の可能性、温暖化対策と環境保全に逆
行する火力発電所の大増設計画、温暖化防止のための日本のエネルギーシナリオ..等々。ほかにフロン対策やダイオキシン汚染・廃棄物処理、環境ホルモン・化学物質・
水環境保全もテーマに。環境NGOの取組みを体系的に紹介している章もある。
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エンデの遺言根源からお金を問うこと★★★★
河邑厚徳+グループ現代/NHK出版/2000年/1,500円/環境破壊や貧困の根源的な原因に“成長し続けるお金”があることを平易
に解説した画期的な一冊。NHKで放送された番組“エンデの遺言”の書籍版。全国に地域通貨の流行を巻き起こした。
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(文責:小林一郎)
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