皆さんの中で、銀行や郵便貯金などの金融機関に預金をしていない人はまずいないでしょう。
私たちは生活の中でごく身近に銀行を利用しています。 しかし、私たちの大切なお金を預かっている金融機関が、
そのお金で何をしているか考えてみたことはありますか?
まずは銀行について考えてみましょう。 企業への融資は、条件として経営成績がもっとも重要視されますが、
一方で環境・地域への影響や、労働環境などに対する責任は融資条件に入っていないことが多いのです。 そのため、環境を破壊したり社会問題を引き起こしたりするような経営をしている企業にも、
銀行は多額の融資をしているかもしれません。 しかも、銀行では、あなたが預けたお金の何倍もの額になって、
個人や企業に貸し出しているのです。 (詳しいメカニズムは昨年度出版した『エコへの一歩』(A SEED JAPAN編)を参照してください。)
では郵便貯金の場合はどうでしょうか。 全国の郵貯に預けられたお金の多くは財務省に集められ、
ODAや特殊法人(道路公団や住宅金融公庫など)の財源となっています。 (正確な説明は前掲書参照。)例えば、無駄な高速道路を作るのに使われたり、
原子力発電所を作るのに使われたりしています。
また、海外への援助(ODA)等にも使われていますが、 残念ながら、これらの援助によって環境破壊や人権侵害が行われているケースもあるのです。
種まき読者のみなさんの中には、リサイクル商品を買ったり節電したりと、
環境に気を配った生活を心がけている人はけっこういるのではないでしょうか? しかしそんなエコロジーなあなたも、これらの金融機関にお金を預けていれば、
環境破壊や人権侵害に知らない間に資金提供をしていることになってしまうのです。 もちろん説明責任を果たしていない金融機関の側に大きな問題があることは間違いないのですが、
私たちもどのように預金が使われているのか知る努力をする必要もあります。 もし預金の使われ方が変われば、間違いなく社会は大きく変わるのですから。
私たちは、「環境社会配慮(環境や社会的な問題に配慮して融資を行うこと)」を
特徴としている金融機関を「エコ貯金」と呼んでいます。 「エコ貯金」にはさまざまな形がありますが、大きく三つのタイプに分けることができます。 |