「環境金融行動原則起草委員会モニタリングレポート」第1回
9月2日(木)、ホテルフロラシオン青山で日本版環境金融行動原則起草委員会(第1回)が開催されました。
これは、日本の金融機関が環境・社会配慮を進めるための指針をつくる会議です。
エコ貯金プロジェクトは、こうした場を市民の視点からモニタリングすることが大事と考え、
オブザーバーとして参加しました。大手銀行や地方銀行、保険会社から証券会社まで、総勢25名の関係者が一堂に会し、
環境金融について意見交換が行われました。
今回議論される「日本版環境金融行動原則」は、金融機関が環境や社会的責任に配慮した取り組みの輪を広げていくために、
金融に関わる各主体があくまでも自主的にこれに署名し、取り組みを実践することを前提に策定されるものと考えられます。
第1回委員会では、今後この行動原則をどう作り上げていくべきかについて、敲き台なしの討議が行われました。
まず始めに会場で問われたのは、この行動原則を策定する目的と目標でした。
一言に金融といっても、各業態により環境金融を実現するための手法が異なるため、
会場からは「網羅的な行動原則ではミニマムスタンダードで終わってしまうのではないか」という意見も出されました。
今回は具体的な取り組みについては討議されませんでしたが、委員長の末吉竹二郎氏(国連環境計画)は、
「金融のお金は社会のお金。どう動かすか、責任は重い。金融が社会に与える影響力を認識しましょう。」
と討議への参加を続けるよう出席者に呼びかけました。
環境のみならず、社会的課題に対して金融がどうアプローチすべきかについては、 責任投資原則(PRI)やグローバル・コンパクト(GC)、
環境と持続可能な発展に関する金融機関声明(UNEP宣言) やエクエーター原則(赤道原則)など、
これまでにも多くの指針が示され一部の金融機関が署名しています。しかし、A SEED JAPANの公開質問状に対する情報開示の少なさからみても、
効力が十分に発揮されているとは言えない状態です。
今後の議論は、新たに行動原則を策定する必要性の有無や、行動原則の実効力をいかに担保するかが焦点になると考えられます。
この原則がどのような形をとるかは、日本の金融機関が持続可能な社会の実現に向けて、
いかに貢献しうるかの試金石となるかもしれません。
エコ貯金プロジェクトでは今後も継続的にモニタリングを続けたいと考えています。
ぜひ市民のみなさんで注目していきましょう!
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参考リンク:
平成22年8月26日 日本版環境金融行動原則起草委員会(第1回)の
開催について(環境省報道発表資料)
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