NPOバンク訪問第3弾として、横浜市みなとみらいに事務所をもつ
女性・市民コミュニティバンクを訪れ、理事長の向田さんにお話を伺いました。
女性・市民コミュニティバンク設立のきっかけは
女性たちが行おうとしている保育園やレストラン等の市民事業に対して
銀行がなかなかお金を貸してくれない現状をどうにかしようという動きからでした。
また、市民事業で働く女性が銀行から教育ローンを借りようとした際に、
正社員勤続3年以上、年間300万以上の収入などの条件を提示され、
この条件は女性にとっては難しいものでした。
このような状況を受けて、女性のニーズに応えるための信用組合を作ろうとし、
その動きが現在の女性・市民コミュニティバンクをつくりました。
神奈川ワーカーズ・コレクティブ連合会という
市民事業のネットワークが、女性・市民コミュニティバンクの活動と連携し、
神奈川県にあるNPOなどの社会的事業を結び付け情報交換を行なう等の
役割を担っています。
女性・市民コミュニティバンクはワーカーズ・コレクティブへの資金融資を通して、
社会的事業を支援する組織となっています。
![インタビューの様子](npobank/wca.jpg)
(インタビューの様子)
ところで、NPOバンクで最も慎重になるのが融資の審査です。
女性・市民コミュニティバンクでは、女性にお金を貸すことを優先にし、
地域に役立つものかどうかを審査していきます。
また、財務データだけでなく、
他団体や人とのネットワークも融資の審査の基準にしています。
地域のネットワークを通してその団体や人がどんなことをしているか信頼度を図るのです。
財務データ、事業計画をみて採算性や継続性があるか判断します。
そして費用の部分で削れるものは助言をし、できると判断すれば融資します。
また融資した後も定期的に見学しに行ったり
電話で連絡をとったりして融資先の状況を確認します。
また、地域や女性の活動を支援する相互扶助組織として、
融資先に対して返済の期限を守るよう、しっかりと催促の連絡もします。
このような緊張感のある審査と、
その後も関係を築いていることで現在まで貸し倒れは1件も起きていません。
横浜というフィールドで女性が活躍するために、
今後も女性・市民コミュニティバンクは多くの資金需要に応えていくことでしょう。