質問状の回答とその傾向

有機農業推進法に関する公開質問状(2007.5作成)

質問状全文

公開質問状の回答一覧とその傾向(2007.10作成)

■ 問1・2・4・5について

■ 問3・6について

■ 問7・8について

公開質問状の集計結果と全体の傾向

問1、有機農業についての実態把握について

■有機農業者人口について
全ての都道府県が把握していないとの回答でした。
■JAS有機認証取得者数について
認証取得者数は北海道(331戸)、熊本(286人)、千葉(244人)の順に多く報告されました。

※JAS有機認定事業者数については、
農林水産省HP(http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html)でも公開されています。

■エコファーマー人口について
登録者数は福島県(13,818人)、岩手(9,010人)、熊本県(8,342人)の順に多く報告されました。

※エコファーマーについて:環境と調和のとれた農業生産の確保を図り、農業の健全な発展に寄与するため、平成11年7月に「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(持続農業法)」が制定されました。
エコファーマーとは、持続農業法第4条に基づいて、「持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画」を知事に提出して、認定を受けた農業者の愛称です。エコファーマーの人口数については、
農林水産省HP(http://www.maff.go.jp/eco.htm)でも公開されています。

■独自の実態把握調査について
上記以外に有機農業の実態を把握する調査を独自に実施していた都道府県は15県でした。
  • ・有機農産物等の栽培面積に関する調査/青森県、京都府、新潟県
  • ・県内市町村の現状・課題についての調査/秋田県ほか

問2、有機農業に関する推進施策について

有機農業の推進を目的とした施策を「過去に実施したことがある」・「実施中」と回答した都道府県は47都道府県中38都道府県で、全体の約80%を占めました。

施策の内容については、「有機農業」に特化した施策は限れており、有機農業を環境保全型農業の一環として推進している都道府県が大多数を占めます。
その中で、栽培技術に関する試験研究、生産者への技術講習、消費者と生産者の交流機会を設けるなど、「有機農業」を含む環境保全型農業を広める施策を総合的に行っている都道府県は比較的多くみられました。

また、「有機農業」に限定した推進施策は次のようなものがあります。

●有機農業の技術開発
・ 特産野菜の有機農業技術開発/愛媛県
・ 有機米「みえのゆめ」および有機イチゴ「サンチーゴ」生産技術の確立/三重県など
●独自の認証制度
・おかやま有機無農薬農産物の認定/岡山県など
●その他
・有機農業者を育成する「土佐自然塾」を設置、運営支援/高知県
・有機JAS認証取得支援/長野県ほか
・有機栽培等の生産に必要な機械類の導入に対する資金支援/青森県

問3、 これまで実施されてきた有機農業に関する施策について

各項目に該当する施策を実施したことのある都道府県数は以下のとおりです。

  • ・有機農業者、有機農業を目指す人たちへの支援・・・18県
  • ・有機農業の技術開発と普及・・・14県
  • ・消費者が有機農業への理解を高めるよう広報、啓発・・・12県
  • ・有機農業者と消費者の相互理解を深めるための交流の促進・・・12県
  • ・有機農業推進施策のための調査の実施・・・6県
  • ・民間が行う有機農業推進活動への支援・・・10県

問4及び5、有機農業推進法に関する施策実施予定の有無及び理由

2007年10月までにいただいた回答では、何らかの推進計画の実施を検討している都道府県が多くを占めました。そのうち3県は、平成20年度予算への計上を予定しているとご回答いただきました。
また、農水省は、「2011年までに100%の都道府県と50%の市町村が推進計画を策定すること」を目標にしており、今後の動向が注目されます。

問6、今後実施する可能性のある施策のカテゴリーと実施内容

各項目ともほとんどが実施を検討するという回答で、実施を決定していると回答いただいた都道府県は北海道と高知県のみでした。

問7、数値目標について

北海道、新潟県、岡山県、愛媛県、高知県、佐賀県の6道県が何らかの数値目標を掲げることを検討もしくは決定しているとご回答いただきました。その他の都府県の多くでは、議論が始まっていない・数値目標を掲げるか否かの結論がでていないという2つのパターンで検討中とのご対応いただきました。

しかし、推進法が、数値目標を掲げることを明記していないことを理由に、数値目標を設定する予定はないというご回答も散見されました。

問8、市民の意見の取り入れ方

問7とは違い、推進法の中には市民参画の必要性を明記していますが、具体的な実施内容は検討中との回答が多く見られました。

具体的に検討していると回答した県と施策は下記の通りです。

  • ・協議会の設置・・・15道県
  • ・パブリックコメントの実施・・・16道県
  • ・説明会の実施・・・5県

また、上記に加えて、主に農業者からの意見徴収を連絡会の設置及びアンケートにより実施するとの回答もありました。

『有機農業推進法』に関する質問状