「それ本当にESG?」を合言葉に、ESGウォッシュ(※1)を「ウォッチ(見張り、動向を注視)」することを通して公正なESG投資の実現を目指すESGウォッチは、6月25日に第3回勉強会「非人道兵器にあなたのお金を使わせないためにできること」を開催しました。社会人3名、大学生3名に参加していただきました。(勉強会の告知ページはこちら!)
最初のオープニングでは、A SEED JAPANのミッションや行動指針、そしてESGウォッチがなぜ活動しているか、ESGウォッチの課題意識を説明しました。
次に事例紹介を行いました。「ESG投資」として投資されたお金が、現在ウクライナ危機で非難されているロシア政府と関係が深い企業に投資されている事例。また、年金積立金として私たちが納めているお金が、クラスター爆弾などの非人道兵器(※2)の生産に関わっている企業に投資してしまっている現状など、知らず知らずのうちに自分が投資したお金が自分の意図していない「兵器産業」「非人道的兵器」に関わっている可能性がある事を説明しました。
次にグループワークを行いました。ワークでは、非人道的兵器に関わっているとされる企業を各グループ一つ選び、その企業の株が組み入れられている投資信託(※3)を探しました。さらに、その投資信託の組み入れ銘柄を見ていき、そこにどのような企業があるか、またその中に兵器産業に関わっている企業は他にもあるのかという点に焦点を当てて見ていきました。
グループワークの後の意見交換では、「投資信託には、自分の知っているような有名企業が多くある一方、『防衛産業』や『航空産業』という名前で戦争に使われる戦闘機や兵器を製造している会社も多い」ということが明らかになりました。
最後に、非人道的兵器に私たちのお金を使わせないために、どのような心構えが必要か? どのような指数を参考に投資を行うべきか?といったESGウォッチからの提言を行い、勉強会を締め括りました。
今回の勉強会では、現在のウクライナで起こっている戦争をESGという観点から考えることで、参加者に新しい視点を提供することができました。
これからもESGウォッチチームは、ESGウォッシュを引き起こす社会構造を改善し、私たち(市民・個人投資家)一人一人が真にESGに配慮した投資を行うことができる社会を目指して精力的に活動していきます。
※1) ESGウォッシュ・・・グリーン(環境に優しい)と、 “ ごまかす”という意味の言葉「ホワイトウォッシュ」を掛け合わせた「グリーンウォッシュ」という造語にちなんで、当プロジェクトではESGに配慮していると見せかけることを「ESGウォッシュ」と呼んでいます。
※2) 非人道的兵器・・・核兵器、対人地雷、クラスター爆弾、生物兵器など、効果が特に残酷、あるいは罪のない民間人が犠牲になる等の理由で、人道的(倫理的)ではないとされる兵器。その多くが国際法で禁止されている。
※3) 投資信託・・・金融商品の一つ。個人投資家(私たち)から集めたお金を、資産運用の専門家が株式や債券に分散投資して、その利益を個人投資家に分配する。
2022-08-11