企業のエシカル通信簿 第1回発表会

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こんにちは、事務局長の西島香織です。

A SEED JAPANは、2015年から「消費から持続可能な社会をつくる市民ネットワーク(英語略称:SSRC)」に参画しています。

最近は「エシカル(倫理的)な消費」という言葉を耳にする機会も、少しずつ増えているのではないかなぁと思います。

このたび、30のNGO・消費者団体による約2年間の議論の末、

第1回目の調査結果(対象:加工食品販売額上位5社とアパレル販売額上位5社)がまとまりました!

今回はその発表会を開催いたしました。

結果はこちら

 

この通信簿のポイントとしては、

●持続可能な社会・環境・消費者・人権・社会・平和・アニマルウェルフェアの7つの大項目……と非常に範囲が広いです><

●約50ページから成る調査票を作成し、まずはNGO自ら、企業の公開情報を元に採点し、企業に採点結果を送って確認してもらうというプロセスをとる

●ランキングではなくレイティング(通信簿)。7つの大項目の総合評価は行わず、あらゆる価値観で自分なりに企業を評価できるようにしました。

 

共同代表の杦本育生さん(環境市民)は日本のグリーンコンシューマー運動の先駆者。

もう一人の共同代表の山岡万里子さん(ノット・フォー・セール・ジャパン)は、人身取引問題を啓発する団体の代表です。

環境問題と人権問題、その他平和問題や動物福祉、情報公開など様々な観点の専門家がこのネットワークには集まっています。

A SEED JAPAN西島の担当はずばり「環境」。特に気候変動問題においては、石炭産業へのダイベストメントを表明している企業がいないことや、廃棄物対策に関する方針の少なさ(リサイクルはしているけれどリデュースはまだまだ)について少々言及させていただきました。

アニマルウェルフェア(動物福祉)についてアドボカシーをおこなうアニマルライツセンターの岡田千尋さんは、会場にいらっしゃっていた企業の方からも「新しい気づきを得た」とコメントをいただいていました。

全体的にアパレルメーカーは食品加工メーカーよりも取り組みが少ないと評価されました。若者に注目されているアパレルメーカー、ぜひ頑張っていただきたいです。

レイティング結果は後日、SSRCのホームページで公開予定です。お楽しみに!

 

ちなみに、「日本の企業評価事例」としてFair Finance Guide Japanもご紹介いただきました!

この通信簿の作成に当たり、フェア・ファイナンスの実行委員団体として西島も微力ながら助言させていただきました。

こうした新たな「エシカルコンシューマー運動」に関して、東京都市大学名誉教授でグリーン購入ネットワーク代表の中原秀樹さんからもコメントをいただきました。

特に、「欧米で進んでいるエシカルコンシューマーによるガイドは元々は戦争に関わる消費を止めようという平和・非暴力運動から始まった」という言葉に感心。この調査でも「平和・非暴力」という項目があるのですが、すべての企業において最低点の1点でした。今後も新しい価値観を、企業や消費者のみなさんと共有していきたいと考えます。

 

また、後半の質疑応答&ディスカッションをコーディネートさせていただきました。

会場から「若者はこういった問題に関心がないと思うがどうすべきと考えているか」との質問に対して、

ネットワーク団体の皆さんからは「若者は関心を持っている。」「私たちからきちんと情報を公開していかないといけない。」という力強い回答が。A SEED JAPANとしても大変うれしく、もっと頑張って発信していかねばという気持ちになりました。

レイティング対象企業の方もお越しいただいており、最後にお褒めの言葉をいただき、改めて企業との対話が大切だと実感。

来年度もますます、大きなムーブメントにしていきたいと思います。

2017-03-29