広報

一口に広報と言っても、なかなかどんなものかピンときませんよね。国語辞典によれば「広報:一般の人に広く知らせること」と書いてあります。

市民活動や青年の環境活動において、社会へのアピール不足の問題を抱えている人も多いのではないでしょうか。そしてそのために、普段行っている活動が、 ホントに社会に影響しているのか不安になってしまう人も多いのではないでしょうか。自己満足の活動ならまだしも、環境活動などの市民活動に関わっている場 合、より多くの人に影響を及ぼすことはとても重要であり、活動の成功は広報の成功にかかっているとも言えます。

「とにかく自分たちの活動を効率よく他の人たちに知ってもらおうとすること」

これが広報の基本的な姿勢であり、広報をいかに効率よく進めるかを考えることが「広報戦略」を立てるということなのです。

広報の目的

広報に成功したらどうなるでしょうか?言い換えれば、何のために広報を行なうのでしょうか?
広報に成功すれば、おそらく今までより多くの人の目に自分たちの活動が触れることになります。新聞やテレビなどのマスメディアを使えば、学生など特定の人たちだけではなく、様々な層の人たちの目に触れることになるでしょう。

このようにして何らかの「活動そのもの」や、その活動が持つ「社会へのメッセージ」、そしてその活動の「成果」を世間一般へ伝えることを「告知する」といいます。簡単に言えば「お知らせする」ということです。これは広報活動をするうえで、最も大切な目的と言えるでしょう。

なぜなら、社会的に認知されるようになれば、社会的信用を得ることができるからです。
社会的信用を得ることにより、会員制を採っている団体では、会員が集まりやすくなるでしょう。また、その団体が行なうイベントなどに参加者が集まりやすくなるかもしれません。

更に、社会的信用を得て会員を増やすことは、活動資金の調達に大きな影響を及ぼします。会員が集まるということは、会費が集まりお金が集まることになります。財団への助成金申請などにおいて、一定数の市民から支持を得ているということで助成金を受けやすくなるかもしれません。理解を示してくれる人が、寄付してくれることもあるでしょう。

このように、多くの人たちが自分たちの活動を知り、支持してくれることで、お金やそれ以外の面において、活動をスムーズに進めることにつながるのです。

さらに、実際に活動をしている仲間たちが雑誌や新聞に掲載されたり、テレビニュースでとりあげられたりしているのを見ることで、会員全体のモチベーションのアップにもつながります。また、なかなか活動のことを理解してくれない両親や友人に対する説明材料にもなりますね。

このように広報は、ただ単に「自己満足的にやる」だけの活動から、それを社会とつなげて「人を変える」「社会システムを変える」活動へと発展させる、とても重要な役割を担っているのです。

広報の種類

広報の種類はいろいろあります。まずマスメディアを使ったものです。マスメディアとはテレビ、ラジオのニュース番組、新聞や雑誌、インターネットのことです。また忘れてならないのが、ポスター、チラシなどの媒体や、団体が発行するニュースレター(機関誌)と口コミです。

「信用を得る」という意味ではマスメディアが望ましいのですが、テレビやラジオにとりあげられることは非常にハードルが高いといえます。そこで、ここでは一番身近で信頼のおける情報媒体である「新聞」による広報を中心に話を進めます。

広報の仕事とは

では実際に広報の仕事をみてみましょう。先ほど広報の目的のところで書いたことをもとに考えて、広報には以下の種類があります。

1 スタッフ・メンバー・参加者の募集

2 プロジェクトの告知

A「やりますよ」告知
B「やってますよ」告知
C「やりました!」結果発表

募集においても、告知においてもやり方は大きく分けて2つあります。先ほど挙げたメディアの種類で分けると、テレビ・新聞などの「マスメディア」によるものと、ポスター・チラシ・ダイレクトメール(以下DM)などによるものです。
ここではまずマスメディアで一番アクセスしやすい、新聞に掲載されるための広報のしかたを詳しくみていくことにしましょう。