2003年9月27日 WTOカンクン会議報告会
9月27日に、A SEED JAPAN(以下、ASJ)のWTO氷結キャンペーンチームのWTOカンクン会議報告会を行いました。会議のあったメキシコで実際に活動をしてきたASJ、アジア太平洋資料センター(PARC)、Oxfam
Japan、そしてFoE Japan の4団体による、NGOの視点から見たWTO閣僚会議について、各国の内情・関係などの背景、交渉の焦点を踏まえた報告会は、土曜の夜にも関わらず44名もの参加者を得て、とても内容の濃い2時間でした。
最初はPARCの井上礼子氏より、今回の第5回WTO閣僚会議の論点と結果についてNGOの視点から話していただきました。今回の会議は農業交渉と投資協定の立ち上げが会議の大きな論点になり、従来の交渉の対立軸が、はっきりと途上国と先進国との対立軸へと変わったこと、NGOと市民や途上国政府が連携して行動するようになったことが話されました。続いてOxfam
Japanの山田太雲氏より、なぜ今回の会議が決裂に終わったのかについて、2001年のドーハ開発ラウンドからの流れと合わせて、先進国側の変わらない非民主的な対応が決裂の根底にあるとし、大きく4つの決裂要因を分析されました。 次に、WTOにおける投資協定立ち上げ反対のキャンペーンをしてきたA
SEED JAPANの三本裕子より、企業(多国籍企業)・投資家の投資に対して法的拘束力に欠ける投資協定立ち上げは、彼らにだけ利益をもたらしかねないことが伝えられました。FoE
Japanの岡崎時春氏は、市民運動が途上国政府を理論によって支えるなど戦略的なものに変わったこと、非農産品(水産・林産品)が一般工業品と一緒に協議されてしまうことへの問題について話されました。終わりにASJより、現地でのNGOによるダイレクト・アクションについて、写真を交えた報告がありました。
質疑応答では、学生、新聞記者、省庁関係者など様々な分野から出席された参加者は、真剣に耳を傾け、グローバル化が進む中、どのように公平な世界を実現できるのかなど、活発な質問が飛びかい、予定時間をオーバーしてのWTOカンクン会議報告会となりました。カンクン会議は終了でも、これからも、WTOウォッチを継続していきたいと思っています。
(文責:大竹直子)
このイベントは地球環境基金の助成を受けて開催されました。
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