ESGのE:環境

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気候変動/生物多様性

 気候変動(=気温及び気象パターンの長期的な変化)は1800年代以降、主に人間活動、特に化石燃料の大量使用を原因として発生しています。産業革命後に比べ気温上昇が1.5度を超えてしまうと、自然に大きな影響が訪れ生物多様性が損なわれ、私たちの生活に大きな影響が生じます。

 2015年フランスのパリで開催された第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)にて、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みとしてパリ協定が採択されました。概要は以下です。

・世界共通の長期目標として2℃目標の設定。1.5℃に抑える努力を追求すること。
・主要排国を含む全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新すること。
・全ての国が共通かつ柔軟な方法で実施状況を報告し、レビューを受けること。
・適応の長期目標の設定、各国の適応計画プロセスや行動の実施、適応報告書の提出と定期的更新。
・イノベーションの重要性の位置付け。
・5年ごとに世界全体としての実施状況を検討する仕組み(グローバル・ストックテイク)。
・先進国による資金の提供。これに加えて、途上国も自主的に資金を提供すること。
・二国間クレジット制度(JCM)も含めた市場メカニズムの活用。

 生物多様性(=生きものたちの豊かな個性とつながり)とは、「生態系の多様性」「種の多様性」「遺伝子の多様性」を指しますが、現在1日に約100種、1年間に約4万種がこの地球上から姿を消していると言われています。

2022年には「昆明-モントリオール生物多様性世界枠組み」が採択されました。また30by30(サーティ・バイ・サーティ)という、2030年までに生物多様性の損失を食い止め回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、
2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標への取り組みが進められています。

脱炭素

現代社会でよく耳にする、「脱炭素」。この意味について、皆さんは説明できますか?

脱炭素とは、「温室効果ガスである二酸化炭素の排出量をゼロにすること」です。カーボンニュートラルとは異なります。

 この言葉や考え方は、国連気候変動枠組条約における京都議定書やパリ協定の制定により社会に大きく浸透していきました。その背景として、頻発する異常気象や、それによる社会的、経済的被害が甚大である状況から、それらを取り返しがつかなくなる前に抑制する必要がある、という声が増えていったことが挙げられます。二酸化炭素排出量の増加は、産業、資源、生態系など多大な領域に悪影響を与えています。将来の世代により良い地球を受け渡すため、持続可能な社会の実現に向けて一刻も早く十分な施策を実行していかなければならないのです。

参考文献

気候ネットワーク,https://kikonet.org/what-is-climate-change
国連広報センター「気候変動とは?」(n.d.)  https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/climate_change_un/what_is_climate_change/
環境省生物多様性ウェブサイト「生物多様性とはなにか」(n.d.) https://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/about.html
脱炭素ポータル「カーボンニュートラルとは」(2021年7月) https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/
この記事を書いた人

サラディ

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