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環境就職座談会
〜「エコ就職」を語ってみよう〜
 
■環境就職座談会(A SEED JAPANメンバー)
学校を卒業しても定職に就かないフリーターが一20万人を越えた。「自分がどういう仕事をしたらいいかわからない。おもしろい仕事がない」フリーターを選ぶにはそんな理由が多いらしい。A SEED JAPAN(ASJ)で活動するみんなは、就職についてどう考えているんだろう? ASJのメンバーに、進路の選び方について話し合ってもらった。


小川絢子さん

大学3年生。森林問題の出版企画やツアー企画、温暖化会議COP6などで活躍。ASJの2001年度代表。(2001年当時)
中島悠さん

大学2年生。野外コンサートのリサイクルシステムをつくる「ごみゼロナビゲーション事業部」のスタッフを務めている。(2001年当時)
星野智子さん

日本リサイクル運動市民の会、地球環境パートナーシッププラザ、などでスタッフを経験。現在ASJのスタッフを務めている。(2001年当時)
   
■どんな仕事を選びたい?
小川・・・将来はNGOかNGOに近い会社で働きたいのね。もしできたら、大人を対象にした環境教育を行う環境NGOを作りたい。でも数年は一般的な事務能力を身につけたいから企業で働こうと思う。企業理念に環境問題を掲げているところが良いけど・・・


聞き手・・・最初はNGOではなく企業で働こうと思ったのはなぜ?


小川・・・世の中の多くの人は会社に勤めているわけだから、その人たちが日々何を考えているのか、そしてみんなが信じている経済っていうのはどんなものなのか、ということを実感しておかなくちゃと思うの。


聞き手・・・なるほど。でも、星野さんは大学卒業してすぐに、日本リサイクル運動市民の会というNGOに入ったんだよね。なぜNGOで働く道を選んだの?


星野・・・大学の時、難民問題の先生の下で南北問題の勉強をしていたの。「この世の中はなんかおかしいな」という疑問を持っていた。フィリピンのスタディーツアーに参加してやっぱりおかしいんだと思ったの。そうしたら会社に入るのって気持ちいいのかなあと思ったりして・・・


聞き手・・・小川さんは大学卒業後、すぐにNGOに入るのではなく、ある意味遠回りする道を選んだんだね。一方、星野さんは大学を卒業してすぐにNGOに入った。でも不安はなかったの?


星野・・・不安はあったよ。でも日本リサイクル運動市民の会は大きなNGOだから新人のサポート体制もしっかりしていたの。


聞き手・・・中島さんは大学卒業したらどういう仕事をしようと思っている?


中島・・・自分に正直になれる仕事がしたいね。上司から今日の仕事はこれって感じで働くんじゃなくて、自分で考えて働けるような仕事をしたい。真剣に活動することが、真剣に仕事をして真剣に遊ぶ事になれば良いなあと・・・そして間違っていると思うことを間違っていると言える仕事をしたい。


聞き手・・・ASJでボランティアしていると、「自分が社会で生きている」ということを実感する場面が多いらしいね。ボランティアしていて進路に影響している事があれば教えて欲しいな。


小川・・・学校で勉強して将来の進路に影響した事なんてほとんどなかったなあ。ASJでボランティアする中で培われてきたことが多いと思う。


星野・・・最初は会社に入ろうと思ったのね。でも週の何十時間も仕事をしていてもつかなあと思った。もったいないなあ、と思ってNGOで働くことにしたの。


聞き手・・・星野さんはいろいろなNGOを転々としているよね。進路を決めるときにASJでのボランティアが影響した事はある?


星野・・・日本リサイクル運動市民の会で経理の仕事をしていたときは、あまりおもしろくなかったの。だからその分、ASJで企画を作るボランティアをしていたのね。その後、ジャパンエコロジーセンター、地球環境行動会議、水と緑の惑星保全機構、と転々としていく中でだんだん企画の仕事も多くなっていったよ。

 

■就職活動についてこう思う!

聞き手・・・就職協定が廃止されて以来、就職活動の時期は年々早まっているね。年が明けると大学三年生たちは説明会やセミナーに出かけていくじゃない? そういう、今の就職活動ってどう思う?


中島・・・みんな同じ時期に、同じ服を着て同じ事をするのって気持ちが悪い。本来やりたいことがあるから就職活動するんでしょう? 説明会やガイダンスにみんなで揃って行くなんておもしろくないよ。


星野・・・何をやりたいのか決まった人から就職していく方が、その人のためになると思う。なんでも経済合理的にやろうとするから一度に採用しようとする。個を大切にする社会なら、もっと別の方法があっても良いんじゃない?


小川・・・私はいま就職活動をしているけど、就職活動も捨てたもんじゃないなあと思う。自分自身を判断する力をつけることができるでしょう? 多くの人は、就職活動を通して自分が社会に生きているってことを実感するんじゃないかな? 私も就職活動をしていて、自分の甘さを痛感しているし・・・

 

■出会うために!選ぼう!

聞き手・・・もしそんな就職活動を変えるとしたら、どういうことができると思う?



中島・・・大学選ぶときもそうでしょう? 自分がやりたい勉強をするために大学を選ぶ。自分から意志を貫かなきゃ世の中は変わらないよ。一人一人が選んでいけばそれが世の中を変える一歩になると思う。


小川・・・企業の合同説明会に行って唖然としたのね。その採用担当者は「日本じゃ木材が足りないから世界の木材を使っているんだ」って、間違っていることを信じて、でも真剣に森林問題について語っていた。この合同説明会に出ていたどの会社も「環境に取り組んでいる」というイメージを作っているような気がした。問題の本質まで視野に入っていないんじゃないかと思う。ASJで活動していると、そういう「イメージとしての環境」というところも見えてくる。就職活動を通 して積極的に意見を言うことで、自分にとっても、企業にとっても将来的にはメリットになるんじゃないかな?


NGOのボランティアを通して感じたこと、培ったことを仕事選びに活かしていけば、きっと自分にあった仕事選びができるだろう。そして学生の間のボランティアと卒業後の進路が結びつけば、ボランティアがより自分の中で深化し、よりよい活動が生まれるはずだ。

聞き手・文:ゆうき