食糧増産援助(Second Kennedy Round:2KR)
最終更新日
概要
農薬、化学肥料、大型農機具を援助するODA(政府開発援助)の一種類。過剰に供与された農薬による土壌汚染や、汚職などが問題になっている。
場所
アジア、アフリカ、中南米諸国等の途上国。毎年40カ国以上を対象に実施されている。
開発主体
プロジェクトにより異なるが、商社としては、三菱商事、三井物産、住友商事、日商岩井、丸紅などがある。
経緯
1977年以降実施され続けている。1993年にはカンボジアに対する援助がNGOから批判され、連結された経緯がある。しかし2KR自体は、市民の監視の目が届きやすいアジアから、届きにくいアフリカに対象地域を移して続けられた。2002年からモザンビークを支援するNGOから、同地における2KRの問題点を指摘され、問題が再浮上した。外務省は同年、2KRの「抜本的な見直し」を宣言し、農薬援助の廃止を宣言している。しかしその後発表された政策は「抜本的見直し」とは言えない内容で、NGOから批判されている。
問題点
・ニーズの無いところに農薬援助がされているために、農薬がオブソレート化(期限切れ)して土壌汚染を引き起こしている。
・事前・事後の調査が不充分で、適正に使用されたかが不明である。
・供与物資は農民に売却され、売上を国が社会開発に使用する仕組みであるが、資金を持たない層は購入できない。
・上記の売上が汚職に回っているという指摘もある。
・政府と商社との癒着が指摘されている。例えば1986年、外務省はモザンビーク肥料支援を競争入札にせず、三井物産を指名している。1998年には、三菱商事、三井物産、住友商事、日商岩井、丸紅の大手総合商社が、持ち回りで肥料供与を行うよう調整していた事実が報道されている。(朝日新聞、1998年12月31日)
出典

2KRネット
http://www.paw.hi-ho.ne.jp/kr2-net/

調査日:2003年6月28日

 
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