■かずえさんのお仕事
かずえさんのお仕事は「放射能汚染防止」だ。「新しい原子力発電所を作らせない」「使用済み燃料からプルトニウムを取り出させない」という二つの目標に取り組んでいる。そうした問題と関係の深い地域を訪問することも多いという。
■ディズニーランドからグリーンピースへ
東京ディズニーランドに勤めていた彼女がNGOに関わるきっかけは、湾岸戦争だった。戦争を止めるために自分に何ができるか? 新聞で平和運動の存在を知った彼女は、運動にアクセスするためにイエローページを繰った。見つけた団体にアクセスし、様々な団体やデモの情報を得た彼女は、次第に平和運動に関わるようになる。
「市民運動の人たちと知り合って、ディズニーランドも、批判的な視点で見るようになりました。ディズニーランドの敷地に、ヘリコプターから大量に農薬を散布する(住民の要請に配慮して後に中止した)などの問題も見えてきました」
同社を退職し、本格的に運動に取り組む中で、グリーンピースと出会った。グリーンピースの論理的な活動方法に共感し、ボランティアで関わり始める。スキルを磨きながら数年アルバイトとして働いた後、フルタイムスタッフとして正式に雇用された。
■平和と環境と
「グリーンピースに関わる前は、『環境より平和』と思っていました。何も罪がない人が死ぬ
から戦争はするべきでない、社会的不公正は無くすべきだ、って。だけど環境も同じだってわかったんです。環境についても、結局問題は社会的弱者に皺寄せされちゃう。それが問題」
グリーンピースはかずえさんにとって、こうした問題意識を仲間と共有できる場でもある。
「企業で『戦争は悪い』なんて言っても、『しょうがない』とか『えらいね』とか言われることが多いでしょ? でも今は職場でみんなで怒ることができる」
仕事のやりがいは色々あるが、キャンペーンで成果
を挙げられたとき、実際に社会を変えている活動家やや地域の人たちに出会えたときには、本当に嬉しいという。悔しいのは、「東電の原子力のキャンペーンのように、自分の側に正当性があっても、圧倒的な資金力でプロパガンダを流されてしまう」ときだという。それでも彼女が常に希望に満ちているのは、個人は社会を変えることができる、という確信からなのかもしれない。
☆これから就職する若者に一言!
「どこにいても、できることはいろいろあります。いろんな場で動きがあったほうがいい。諦めずにやれ、挫折禁止!※ですね。こうした問題に関心の無い人たちに影響を与えていって欲しい、と思います」
2003.6.6 グリーンピース事務所にてインタビュー 聞き手・文:もん
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