■研究、自活、NGO活動〜ハードな大学生時代
小学生の頃「アフリカに行って井戸を掘ること」が夢だったという彼女は、大学に入ると国際関係を専攻、移民問題の研究に取り組む。しかし家庭の経済事情から、学費も生活費も全て自分で稼ぐ生活を余儀なくされる。
昼は学校、夜はバイトの生活。ウエイトレスから土井たか子の鞄持ちまで(!)、あらゆるバイトを経験したという。そんなハードな生活にも関わらず、彼女はこの頃NGOにも関わり始めたという。
ピースボートのツアーへの参加、インドネシアでの井戸作り、インドの障害者施設でのボランティア…と活動範囲は幅広い。
■大企業への就職、そしてNGO活動へ
大学生活が終わり、就職の時期。経済事情からNGOでの就職は全く考えなかったという。給料が高い、男女差別
が無いという理由から、某外資系大企業に就職する。
就職後、働きながらベトナムとコンゴのコミュニティを支援するNGOに関わるが、勤務3年目、会社で「早期退職者募集」があったのを機に、留学を志して退職を決める。退職後は留学準備をしながら債務帳消し運動に取り組み、イギリス留学を経て、現在に至る。
…以上が、簡単だが、バイタリティが伺い知れる彼女の経歴だ。
■NGOで働くことの楽しさ
彼女にとってNGOで働くことのメリットは「自分の主張に従って行動できること」だという。
「戦争が嫌だと思ったら反戦行動ができるし、ODAが問題だと思ったら外務省に申し入れに行くことができる。」
多忙な日々を過ごしながらも、彼女がいつもパワフルでいられるのは、信念に従って行動する充実感のせいなのか。
また、
「NGOは日本社会ではマイノリティだけど、海外では決してマイノリティじゃない」
こと、「外の社会とつながること」が重要なこともお話して下さった。同じ信念を持った世界中の人たちと「つながっている」ことの実感、きっとこれも彼女のパワーの源なのだろう。
■NGOで働く、ということ
一方、多くのNGOには人材育成制度が無く、新卒は雇わない団体も多い。この点について伺うと、
「確かにNGOは即戦力を欲しがる。でもNGOで働くのに一
番必要なのは『明確な問題意識と主体性、行動力』だよ」と答えて下さった。
「新卒でNGOを立ち上げた人たちも多くいるし、NGOでほんとに働きたかったら、活動に関わっていれば雇われるチャンスはいくらでもある。実際には入ることより続けることの方が難しいんだよ」
…なるほど、経験がある彼女の言葉には説得力がある。
これから仕事を選ぶ若者へのメッセージをお願いします。
「若い人と話してると、心配性になりすぎているな〜と思うときがある。私はあまり計画性はなくて、そのときやりたいことをやってきているんだけど、結果
的には全部つながってきているんだよね。だから…
やりたいことを貪欲にやれ!計画的になるな!」
したいことを躊躇せず貪欲にやること、自分の可能性を信じて行動すること、何事をするにも、こうしたことが大事なのですね。勇気付けられるお話、ありがとうございました!
2003.3.28. 御茶ノ水にてインタビュー 聞き手・
文:もん
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