本日2018年7月3日、第5次エネルギー基本計画が閣議決定されました。
これに対し、A SEED JAPANでは経済産業大臣に対し以下の抗議および要請をいたしました。
経済産業大臣 世耕弘成殿
「第5次エネルギー基本計画」閣議決定に対する抗議
および本計画に関する「公聴会」開催を引き続き求める要請書
本日、政府は「第5次エネルギー基本計画」を閣議決定しました。市民団体の実施した署名「原発ゼロ・自然エネルギー社会を求める市民の声」の集約数は129,057筆です。これほどの声があったにも関わらず、また、本計画において、「原子力に関する丁寧な広聴・広報を進める必要がある」(P.54. 「国民、自治体、国際社会との信頼関係の構築」)としながらも、本計画に関するパブリックコメント募集期間中に、「公聴会」は一度も開催されることなく、閣議決定がなされたことに大きな疑問を抱かざるを得ません。
6月29日付で私たちが提出した「パブリックコメント回答の公開と及び本計画案に関する『公聴会』開催を求める要請書」に記した通り、これまで、少なくとも2003年に発表された「第1次エネルギー基本計画」策定時には「パブリックコメント募集の一環」として、貴省が基本計画案の説明を行った上で、有権者の意見を聴取する「地方公聴会」を、全国6ヵ所(東京、仙台、名古屋、札幌、大阪、福岡)で開催されました。2010年にも公聴会を実施し、2012年の「革新的エネルギー・環境戦略」の際には、全国11ヵ所において「公聴会」を開催しただけでなく、「討論型世論調査」を実施されました。
しかし残念ながら、前回、2014年の「第4次エネルギー基本計画」の際は、1ヶ月という短期間のパブリックコメント募集のみで、有権者不在のまま決定されてしまいました。さらに、パブリックコメントに寄せられたコメント数及びその内容を積極的に公開せず、一記者が情報公開請求をして初めて公開されました。
そして今回、貴省は本計画の見直しの過程で「エネルギー政策に関する『意見箱』」を設置し、国民から多数の意見を募る場を設定されました。本計画案に対するパブリックコメントを募集しました。しかし、ここに寄せられた意見がどのように議論に反映されたのかを含め、本計画案公開後に、本計画案に関して貴省大臣から有権者に対する説明がなされることも、有権者が参加して公開で議論できる場も設けられることはありませんでした。このままでは、「信頼関係の構築」はおろか、閣議決定がどうしてできるでしょうか。
以上のことから、本日の閣議決定に強く抗議すると同時に、真に「国民、自治体、国際社会との信頼関係の構築」をする上で、「丁寧な広聴・広報」が不可欠であるとするならば、引き続き、下記項目を強く要請いたします。
記
1.私たち有権者の前に立ち、本計画について説明を行った上で、私たちとともに議論をする「地方公聴会」を開催すること
2.公聴会開催の際、一般公募によって選定するなど、参加者に条件をつけないこと
3.公聴会開催の際、主要な論点・テーマにおいて、計画案とは異なる意見を持つ専門家を登壇させ、議論を交わすこと
4.以上を実施しない場合、その理由を明らかにすること
以上
2018年7年3日
特定非営利活動法人A SEED JAPAN
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PDFはこちら→180703_第5次エネ基抗議文
参考:「第5次エネルギー基本計画(案)」に対するパブリックコメント回答の公開 及び本計画案に関する「公聴会」開催を求める要請書(2018年6月30日提出)
2018-07-03