【要請書を提出】「第5次エネルギー基本計画(案)」に対するパブリックコメント回答の公開 及び本計画案に関する「公聴会」開催を求める要請書

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エネルギー政策の根幹を決めてしまう「エネルギー基本計画」に対しては、特に原子力からの撤退などを求める声が、13万件近くも寄せられています。

パブリックコメントについても、様々な意見が多数寄せられました。こうした国民からの声を、政府は公開し、それを基に議論を重ねるべきです。

真に民主的で公正なプロセスを求めるため、2018年6月29日、A SEED JAPANは下記の要請書を経済産業大臣宛に提出いたしました。

経済産業大臣 世耕弘成殿

「第5次エネルギー基本計画(案)」に対するパブリックコメント回答の公開

及び本計画案に関する「公聴会」開催を求める要請書

 

去る5月16日に「第5次エネルギー基本計画(案)」が公表され、6月17日までの1ヶ月間に渡り、パブリックコメントが募集されました。特に原子力政策においては、市民団体の実施した署名運動で「原発ゼロ・自然エネルギー社会を求める市民の声」が129,057筆集まり、政策の行く末が注目されています。

しかし同計画案において、「原子力に関する丁寧な広聴・広報を進める必要がある」(P.53. 「国民、自治体、国際社会との信頼関係の構築」)としながらも、本計画に関するパブリックコメント募集期間中に、「公聴会」は一度も開催されることはありませんでした。

これまで、少なくとも2003年に発表された「第1次エネルギー基本計画」策定時には、「一般公募により選定した地域の有権者」という条件付きではあるものの、「パブリックコメント募集の一環」として、貴省が基本計画案の説明を行った上で、有権者の意見を聴取する「地方公聴会」を、全国6ヵ所(東京、仙台、名古屋、札幌、大阪、福岡)で開催されました。2010年にも公聴会を実施し、2012年の「革新的エネルギー・環境戦略」の際には、全国11ヵ所において「公聴会」を開催しただけでなく、「討論型世論調査」を実施されました。

しかし残念ながら、前回、2014年の「第4次エネルギー基本計画」の際は、1ヶ月という短期間のパブリックコメント募集のみで、有権者不在のまま決定されてしまいました。さらに、パブリックコメントに寄せられたコメント数及びその内容を積極的に公開せず、一記者が情報公開請求をして初めて公開されました。

そして今回、貴省は本計画の見直しの過程で「エネルギー政策に関する『意見箱』」を設置し、国民から多数の意見を募る場を設定されました。しかし、寄せられた意見がどのように議論に反映されたのかを含め、本計画案公開後に、本計画案に関して貴省大臣から有権者に対する説明がなされることも、有権者が参加して公開で議論できる場も設けられることはありませんでした。このままでは、「信頼関係の構築」は難しいと考えます。

以上のことから、真に「国民、自治体、国際社会との信頼関係の構築」をする上で、「丁寧な広聴・広報」が不可欠であるとするならば、下記項目を要請いたします。

 

1.本計画案に対するパブリックコメントの回答の内容及び意見の概要を1ヵ月以内に公開すること

2.私たち有権者の前に立ち、本計画について説明を行った上で、私たちとともに議論をする「地方公聴会」を開催すること

3.2の開催の際、一般公募によって選定するなど、参加者に条件をつけないこと

4.2の開催の際、主要な論点・テーマにおいて、計画案とは異なる意見を持つ専門家を登壇させ、議論を交わすこと

 

以上

 

2018年6年29日

特定非営利活動法人A SEED JAPAN

 

要請書pdfはこちら

公聴会開催に関する要請書pdf

 

2018-06-28