3月9日(金)14時~16時20分、ウェスレーセンター 会議室205にて、
『企業のエシカル通信簿』第2回結果発表会を開催しました。企業のエシカル通信簿とは、全国37のNPO団体が共同で作成した質問項目を企業に回答してもらい、企業のエシカル度 (どの程度環境や社会に配慮しているかの程度) を調査するというものです。
今回はコンビニ、化粧品、宅配の3つの事業、計12社を対象に調査しました。
今回のイベントでは、はじめにこの企画の目的や説明を行いました。
企業と市民が一体となって共通意識を持つことで持続可能な社会を作ることができます。そのような目的を持って今回のイベントが開催されました。この目的について私は企業と市民が交わることができる機会を設けることは非常に重要であると感じました。このようなイベントを開催せずに企業と市民が独立していると、共通意識が生まれず、結果的に企業の工夫が改善されなかったり市民の意見が反映されないといった事態に陥る可能性があります。今回のイベントのように市民の目があることで企業も意識的に環境に配慮することができるのだと感じました。
導入部分に続いて、今回の企画のメインであるエシカル通信簿の結果発表を行いました。調査項目としてはSD (=持続可能な開発・社会) 、環境、消費者、人権労働、社会、平和・非暴力、動物 (アニマルウェルフェア) の7つの項目で調査しました。全体の傾向としてSDや人権労働が比較的高い評価であったのに対して、平和・非暴力、動物といった項目の評価が低かったという傾向がありました。この要因の推測として、SDや人権労働が営業利益に直接結びつきやすい項目であるからだと考えます。この2つの項目は従業員が働く上での満足度にも繋がりやすく、また最近のSDGsへの注目度もあり、この2つの項目を充実させることで従業員のやる気が向上し、SDも重要視することで他の企業や消費者から質の高い企業と捉えられ、結果的にプラスに働くのではと感じました。平和・非暴力や動物といった項目は先ほどと逆で直接利益に結び付きにくいということも考えられますが、別の要因として我々市民の興味が薄いという点もあるのではないでしょうか。ある企業に対して、この企業は平和・非暴力やアニマルウェルフェアを意識しているのかなと私たちはどれほど気にかけるでしょう。そのような市民の目を養うためにも、今回のようなイベントを通して市民にも啓発する必要があると感じました。
結果発表が終わった後は、識者からのコメントがありました。コメント内容として、企業の視点と市民の視点がずれている、つまり企業と市民のフレーミングが違うことで企業と市民が一体化した社会を作ることが出来ず、結果的に企業や市民の取り組みを効果的に実施することが出来ないという内容がありました。そうならないためにも、フレーミングを合わせることが出来るように今回のエシカル通信簿のように市民と企業が交流する機会を定期的に開く必要生を訴えていました。その時に印象に残っている言葉が、「市民の監視の目が必要だ」という台詞です。今回のような企業の取り組みを確認する機会がないと、企業が勝手に自社の利益のみを考える傾向に走ってしまいます。そのような事態を防止するために私たち市民が意識的にチェックする必要があるのだと感じました。
まとめとして、私自身このイベントに参加したことで市民と企業が一体化することの重要性を学ぶことができました。これまで企業の取り組みを意識してこなかったので、今後はエシカルな目で企業を見て、商品を選ぶ際の一つの基準にしていこうと思います。また今後もこのような啓発イベントを定期的に開いて市民のエシカルな目を成熟させる必要があると感じました。
2018-04-08