NGOで何かをしようと思ったら、最初の入り口がミーティングです。NGOでは大小各種のミーティングが開かれているので、そこに参加するのが活動への一番の近道だ。ただ、初心者にとっては、うまく発言できなかったり、話についていけなかったり、となかなか手ごわい登竜門でもあります。そこで、今号ではNGOのミーティングも徹底図解。これで予習してNGOに乗り込もう!
ミーティングの進行役。ASJでは「ファシリ(またはファシ)」とも呼ばれる。参加者の意見を引き出しつつ議論を円滑に進め、全員の参加を促し(一部の人だけが話している状態は望ましくない)、意見をまとめて議決を取る。うまくこなすのはなかなか難しい。ファシリテーターをきちんと務められるようになれば、君も立派なNGOの活動家だ。
悪い会議は長々と時間がかかる。すると、みんな疲れきって思考力が落ち、ますます時間がかかるようになる。そんな悪循環を断ち切るため、きちんと時間を計る人がタイムキーパーだ。議題ごとに時間設定をし、時間の経過をみんなに伝える(「15分経過」 「終了3分前」など)のが役割。ミーティングが時間通りに終わるかはタイムキーパーの腕にかかっている。
ミーティングの記録を取る(この記録を「議事録」と言う)。話したこと全部を覚えてはいられないし、何かの都合で欠席したメンバーもいるかもしれない。議事録は、ミーティングで決まったことをきちんとメモし、あとで他人が見返してもわかるように作らなければならない。ノートに取る場合もパソコンを使う場合もある。初めのうちは、話されていることを理解するために、書記を引き受けるのも悪くない。
新しい企画の提案など、みんなの前で何かを発表する人のこと。たいていレジュメ(英語ではハンドアウト handout)と呼ばれるプリントを用意し、それに沿って説明する。パソコンがあればパワーポイントを使うこともあるかもしれない。
発表に対して、わからないことを質問したり、意見を言ったりする。
配られたプリント
やっぱり一番困るのはミーティングに来てずっと黙っている人。初めてだとなかなか参加しづらいのもわかるけど、周りのメンバーは「あ、退屈しているのかな?」「会議についていけてないのかな?」と心配してしまう。いきなり意見を言うのは難しいだろうから、わからないことがあったら、ミーティングの途中でも手を挙げて「わからない」と言ってみよう(特に専門用語やNGO独特の用語がわからないときなど)。決して迷惑なことではないから、遠慮しないで聞いてみよう。
ミーティングに積極的に参加するという意味では、何かの役割を引き受けるのもいいかもしれない。初めのうちはファシリテーターは難しいかもしれないけど、タイムキーパーなら時計を見ていればいいので誰でもできる。初めて行ったミーティングでタイムキーパーを引き受ければ、他のメンバーからも「おっ」と思われるだろう。何回かミーティングに出て慣れてきたら、議事録を取る書記の役割を引き受けるのもいい。
初めて参加したミーティングでは、一通り自己紹介がされるだろうけれど、人の名前と顔を覚えるのは大変だ。そこで一工夫、配られるプリント(レジュメ)に席順と名前をメモしておこう。人の顔と名前が一致すると、「この人はこういう人だ」と性格も見えやすくなる。
ミーティングが始まると、なかなか個人的な会話はできないものだ。そこで、開始時間より少し早く来て、メンバーといろいろ話してみるといいかもしれない。また、休憩時間に、ミーティングでわからなかったことを聞いてみるのもいいだろう。休憩時間にトイレに行くだけではもったいない。